日本発 No.34
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55神社寺幕(地染)幕古来、幕を多用していたと思われるのは、戦国時代の武家である。軍陣に使用するものを「陣幕」といい、幕内は神聖な場所とされ、余人の立ち入りを許さず、謀り事を幕の内でめぐらせた。大将軍がその場所にいることから「幕府」の名がそこからおこったとされている。現在、使用される幕の多くは、この「陣幕」形式を基本とし、祭事や婚礼の際に使われる「門幕」「玄関幕」や、寺社や建物正面に、大きく紋を染め抜き真ん中を房でたくし上げる「社寺幕」などが一般的である。

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